x(旧Twitter)の短文じゃ抑えられずに、勢いに任せて書き綴りました。
話しの流れめちゃくちゃですがこんな感想を持った個人もいます、という思いで書き残して置きます。
※この記事は多大なるネタバレを含みます。
鑑賞してからの閲覧をおすすめします。
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最初に一言。
次章、火鼠 3月14日まで待てない!!!!
早く円盤出してくれないと気が狂いそうです。
この夏、劇場に5回ほど鑑賞しに行きましたが、まだまだ観たりなかったです。本当はもっと観たかった。100回ぐらい観ないと満足できません。それほどまでに惹き込まれるものがある。
今から次の火鼠に向けてたくさん見られるようにチケ代貯金しておこうと思います。次は最低10回は見たい。
と、見納めしたところで、荒ぶっております。
2006年、怪~ayakashi~化け猫、2007年、モノノ怪TVシリーズから17年。
まさか今になってこんな最高な映画を見られるとは思いもしませんでした。
声優変更あったので、どうかな、と思いましたが、この薬売りは神谷さんで大成功ですね。
懐かしい和紙の質感。緻密に作り込まれた背景と極彩色のカラーリングに懐かしさも相まって冒頭から引き込まれます。
↓↓↓以下ネタバレあり↓↓↓
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【個人的見どころまとめ】
ここだけは押さえておきたい個人的みどころ。
詳しい感想は下に続きます。
・冒頭シーン。アサとカメ、薬売り、坂下登場。朴葉味噌のおにぎりのくだり。セリフの言い回しが薬売りで懐かしく、一気にテンションが上がる。
・七つ口に推し入るシーン。モノノ怪が出た のセリフと坂下との立ち回り。スピードアクション。
・からの麦谷の部屋での立ち回り。
・淡島の部屋の立ち回り。視線はずっと唐傘。おカメさんは土間側にいるってアサに教えてくれるの親切。
・歌川の部屋。このままではやられる!の切羽詰まった流血緊迫シーン。そして落下。
・終盤、謎が解け(ほどけ)始め、事の転末がわかってくる。曲も相まって、三郎丸、アサ、北川の悲痛な叫びに胸がぎゅっとなる。
・神儀と唐傘の戦い。曲がかっこいい。画面が壮大。薬売りと神儀が入れ替わる演出が美しい。
・最後、空を見上げた薬売りの笑顔。
・バトルシーンはスピードがあり、曲の盛り上がりもすごくて何度でも観たいです。
・七つ口押し入りシーン、麦谷の部屋で立ち回り、モノノ怪が出た!の回転しながら降りてるとこ、淡島部屋の対唐傘、歌島部屋の唐傘、からの神儀に代わってからの最終戦。
・神儀に変わるシーン、退魔の剣を解き放ち、化粧と着物の柄が解け落ちて神儀に移っていくシーン好きです!
以下詳しく感想↓↓↓
一番声を大にして言いたい、
この映画のすごいところ!
ストーリーが間延びするところがない。見なくていいシーン、見なくていいコマがない。通常、ストーリーをつなぐ部分で飽きることがあるが(例、ここのシーンはつなぎで重要な部分じゃないからここでトイレ行っておこう。円盤なら早送りしちゃおう)それがない。全編通してクライマックスみたいな。全てのシーンが大事。1コマ1コマ目に焼き付けたい。
まず、目に飛び込んできたのは、色鮮やかな色彩。モノノ怪と言えば当時TV版のタイトルビジュアルからも極彩色のイメージ。そのままの和紙の質感の絵で懐かしく変わってなく嬉しい。大奥が舞台ということもあり、さらに絢爛極彩色に目を奪われます。人が多い描写でにぎやかな始まりを感じさせる。香りををも絵のエフェクトで演出するのも懐かしい。
冒頭、本作のキーパーソン、アサとカメの出合い。荷物の少ないアサと大荷物のカメ。この時点で対象的。
良い香りの演出はカメちゃんが持ってきていた朴葉味噌のおにぎり。
そしてここで、匂いにつられ(?)意外と早く薬売りが登場。
声は違えど、セリフの言い回し、雰囲気が薬売りで懐かしさと嬉しさで一気にテンションがあがりました。
もしかしたらテレビ版に寄せてる?それぐらい第一声が似てるようにきこえた。
今回の薬売りもファーストアプローチはエゲレス産の惚れ薬、なんて怪しげなものw
でもテレビ版(怪~ayakashi~化け猫)だと、耳打ちでコショコショとしか言えない放送禁止ワード級のものだったのでそれに比べれば可愛らしいものです。
坂下も良いキャラですね~
アサカメちゃんに見惚れてたり、薬売りにからかわれたり、ビビらされて遊ばれたり、かと思いきや、怪しい動きには気が付き、薬売り相手に立ち回り仕事はちゃんとこなすギャップが良いです!
で、次のここ、さっそく好きなシーンなんですけど、
薬売りが七つ口に押し入るところ。歩いていたのにカツン、と下駄を鳴らし入口正面に向きあう、坂下もそれに気づき構える。からの超スピードアクション。薬売りがあんな派手なアクションするとは思わず、今回の薬売りはなんだか違うぞ?と思いました。飛んだり、跳ねたり、回ったりする薬売り。そのまま麦谷の部屋での立ち回りも好きです。狭い部屋を縦横無尽に飛び回る無重力アクション。この文だけだとなんかもう別の映画かと思ってしまう(笑)
和風ホラーのジャンルに収まり切れない。
今回の薬売りは、口上があって名乗ってくれたり、説明してくれたり、心配しているだろうアサにカメちゃんがいる場所を教えてあげたり、淡島が犠牲になった時に助けられなさそうだったのを悔しがり気味にみえたり、だいぶ親切な薬売りですね。テレビ版なんてほぼ説明してくれなかったような……
(再放送見たいけど心の準備ができてなくてまだ見れません。改めて感想書く予定)
舞台の大奥。
ただの大奥ではなく、象徴的な大井戸を中心に
“お水様”を信仰しているようです。
“お水様”が何なのかは、これから明るみになっていきそう。
個を殺して組織に染まる。
大奥自体が現代の会社、他者と比べられ、出世争いの暗い感情が感じ取れる。
カメの詰められ方見てるのつらかったです。なんか聞き覚えのあるような詰め方されてる、と。
場面前後してしまうけど、カメのみんなと同じようにできなくて……、とか、麦谷のなんならできるんですかぁ⤴︎のやりとりに昔言われた事を思い出して心臓がキュッとなっちゃいました。優秀な同期と比べられたり、ね。
キーワード 「捨てる」
大奥に上がる時の儀式。
一番大事なものを捨ててお勤めに励みましょうってことなんでしょう。
カメちゃんはおばあ様からお守り代わりにもらった飾り櫛を、大奥でうまくやっていかなきゃいけないから、と捨ててしまう。
ためらいないようにみえるけど、泣いてるんですよね。
アサは荷物が最小限で手元にあるのはこの先も使うであろう筆記具実用品だけ。
捨てるものはないと言いきり、ここでひと悶着。
うまくやっていくために周りに合わせて大事なものも捨ててしまうカメちゃんと、間違っているかもしれないことには疑問を持って臆せず上にモノを言うアサ。
う~ん、ここも会社でよくあることですよね。
だいたい後者は上に煙たがられる。
インタビューで同調圧力、合成の誤謬がテーマとみましたがまさにそれ。
井戸の底には今まで捨てられたものたちが。
捨てたものと傘。
モノノ怪に転じた北川が持っていた人形。
アサが見つけた時は人形だけで、持っていたはずの傘がその手にはありませんでした。
北川が捨ててしまったもの。
唐傘お化けって調べると、捨てられた傘が恨みを持って妖怪になったもの、って出てくるんですよね。
傘をさした人形の傘はあの子だった。
人形だけ部屋に残ってる。
傘を捨ててしまった。
あの子を捨てた。
井戸に投げ捨てる時に離れてしまったのか。
ノベライズで
あの子は傘だった。決して手放してはいけない、と北川が発言していて、もう荒れ狂いましたよね。尊すぎて。悲しすぎて。
それを手放して北川は病んでしまった。枯れてしまったって表現するの好き。心のうるおいだったはず。
でもあの子のほうは恨んでたりはせず、むしろ消息不明になった北川を気にして大奥まで仕事がてら訪ねているんですよ。
生きていれば、会えたのに、って思うんですけど、この辺はノベライズの感想のほうで書きます。(まだ感想書く気)
唐傘お化け、人形と傘、北川とあの子、アサとカメ、、、
傘と人形のモチーフに何重にも意味が重ねられていて、うまく言語化できないんですが、気づいた時はちょっと震えました。
どこまで作り込まれているのかと。
終盤、三郎丸が井戸の底の祭壇で見つけて叫ぶシーン。
捨てられたものと打ち捨てられた多数の人だったものを傘で演出。
ここ鳥肌立つ~
北川の独白と悲哀で、それでいて壮大な曲調と相まって、見ているこちらも叫びたくなる。
主題歌の歌詞とノベライズを踏まえた上で見ると、三郎丸、アサ(北川)の叫びが気持ちを揺さぶる。
ここのシーンはほんと胸にクる。
アサとカメの関係性がちょっとでもよかったと思った方はぜったいノベライズ読んで欲しい。ぜったい(圧)
ノベライズ読むとさらにアサとカメ、北川の気持ちが深掘りできて辛くなるが、理解も進むかも。
唐傘の攻撃で吹っ飛んだはずの薬売りがいつの間にかしれっと屋根の上に。
理がわかった事で退魔の剣を解き放ち、神儀に変わるシーン。
ここはほんと必見。化粧と模様が神儀に移る演出で一瞬薬売りのすっぴんみれます。
それはそれとし普通にかっこいいので!
最終戦は、見事な入れ替わり演出からの画面いっぱい使った壮大なバトル。
今までの色彩と打って変わって画面いっぱいにサイケデリック。
戦闘が大ぶりな演出で見ごたえあります。
神儀の動きがまた薬売りとちがっていいんですよね。
映像もアート極めてて、〇ヴァかと思った。
アニメ映画ってもはや芸術の域ですよね!
曲もめちゃくちゃかっこよくて盛り上がります。ほんと劇場の大画面で見て欲しいし、また見たい!
唐傘を切る時に「ゆるせ」っていって切るんですよ。
今回の薬売りは原因の悲しみ、個人に寄り添ってくれてるのが見て取れて、
監督インタビューで言ってたけど、
テレビ版の薬売りは 埋もれた真実を取り上げる。
劇場版の薬売りは 気持ちに寄り添う。
その差をひしひし感じられました。
唐傘を切ったあとの大餅曳本番。
ずっと雨が降る描写が多かったのが晴れ渡る空に。
北川がやりたかったであろう大役に人形を一緒に連れて行ってくれるアサちゃん。
大筆を振るアサの腹の底から出してる
「よいしょーーーーーーー!!」
にビリビリ痺れちゃいました。かっこよくて。
ラストシーン、入口の井戸の内に張ったお札が反応せず真っ白のまま。
唐傘以外の大物がいるってことですよね。
何かに気づいて空を仰ぎ目を細める薬売り。笑ってますね。ぜったい笑ってる。
薬売りの笑顔。
何を見て何を想いあの表情なのか。
次章が大変大変気になります。
【唐傘 エンディング】
これもまた別記事にしたいんですけど、(しつこい)
主題歌Love Sickが秀逸。
和風ホラーにアイナ・ジ・エンドで横文字タイトルなんて最初はロックじゃん、と思っただけだったんですが、
歌詞を見て驚愕。ひっくり返る。この映画のための書き下ろし。
歌詞自体はモノノ怪の世界観とアサカメと北川にかかっている。
さらに言葉遊び。
don’t touch don’t don’t touch don’t touch don’t touch me と聞こえるところ を 断絶断断絶断絶断触魑魅 と表す。センスすご過ぎやばすぎ。
そしてあのかわいいのに高く叫ぶような歌声がさらに北川とアサの心境を感じて胸が押しつぶされそうな切なさをもたらす。
タイトルも恋煩い。北川とあの子。アサとカメ。
ノベライズ読んだ上で聴くと情緒が壊れて感極まります。
なにこの良質な百合。
エンディングは最初から最後まで、井戸の下にあるであろう祭壇とそれを縛る3本の柱の周りをひたすらぐるぐる回っている視点です。
ちょっと酔った。
主題歌が終わったタイミングぐらいで、三本つながって(どう見ても何かしら封印していそう)いた内の一本が切れた状態に。
もー、このエンディングの間ひたすら考えてましたよね。これはなんなのか、柱に描かれているモノの意味は、次作はどうなるのか。
エンドロールにクラウドファンディングの支援された方々のお名前が載っているんですが、
どうしても、
財布を解き放った○○ さん
のお名前が忘れられません。
見ながらクスっとしちゃいました。
【まとめ】
テレビシリーズ見てなくても、映像美と良質な楽曲で映画単体でも十分楽しめます。
が!
主題歌だったり、ノベライズだったりを読むとさらに感情移入できるので、
カタルシスを感じたい方におすすめ!
というか、みんなに見て欲しい。
素晴らしすぎるので。
この映画を見れてよかった。
大袈裟かもしれないけど17年、生きていてよかった。
そう思える映画でした。
以上、私の感想でした。
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